第48章 円周率を求める  


今回は、前章に引き続きマクローリン展開の応用です。 円周率を求めてみましょう。

うーん。いきなりそんなこと言われてもどうすりゃいいの?

はい。これには、ホンの少し数学の知識が必要です。 昔、大学受験の時やった三角関数の微分を思い出してください。
tan xをxで微分するとどうなりますか?

はい、そうです。では、Tan-1xの微分はどうなるでしょうか。

ここで、sec2y = 1 + tan2y = 1 + x2

この両辺をLeibniz(ライプニッツ)の定理にあてはめ、 x=0を代入すると

これから、tan-1をマクローリン展開すると

これにx=1を代入すると

あー、これでやっとパイの値が求められますね

はい。たいていのCの入門書では、 いきなり最後の結論だけ出してきて「さあ、プログラムしましょう」 ということになっています。これじゃ、意味が分かりませんね。

計算回数をやたら大きくしないと、なかなかいい値が でません。これは、分数の値がなかなか小さくならず 収束しないからですね。ほんとは、もっと早く収束 させるやり方があります。たいていの参考書に 載っていますので読んでみてください。 ここでは、マクローリン展開に忠実にプログラムを 書いただけです。

円周率は

3.14159265358979...

ですから小数点以下6桁くらいまでしか信用できませんね。


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Update Dec/22/1996 By Y.Kumei
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